白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

狂乱家族日記拾弐さつめ

狂乱家族日記 拾弐さつめ (ファミ通文庫)

狂乱家族日記 拾弐さつめ (ファミ通文庫)

 すいません、小紅ちゃんってどこで出てきましたっけ?

 本当にキャラが増えすぎです。書き分けは異様に極端なキャラ付けのおかげで何の問題もないのですが、せっかくの主役であるはずの銀夏がなんともいいとこ取りにもなってない中途半端な立ち位置で、もう少しキャラを減らせばもっと目立ったのにな、でもそれじゃあ狂乱じゃないな、とかいろいろ思う。
 話はやっと終盤。非常に面白いです。完全に固まったキャラクターを動かすだけなんだから話を練ることができて結構面白くなっているんだと勝手に考えてます。意外にカジノが普通だったけどそれはまあいいや。
 バルトロさんあたりの伏線(伏線というかほのめかしというか。あからさまだけどまあ伏線か)がはられ始めているのがほおと思った。本当にまとめに掛かっている。あ、というか実は前巻まで過去編があったから今回久々に全編本編なんだ。ああ、だからなんか重かったのか。
 乱命さんは良い人なんだが悪人。キャラとして非常にわかりやすいし、行動原理もわかりやすい。バルトロが重要になってくるだろう地下帝国編の前にこいつを出してきたのはうまいと思う。すごく対比的なキャラクター。ただこれを書ききるだけの筆力が作者にあるんだろうかは少々疑問だけど。まーた全員いい人的なアレにされたらたまらない。いやいい人なんだけど、もう少しダークにしてもいいと思うんだよねー。
 全体的に少々冗長だけど面白かったと思う。後編が気になるので番外とか出してる暇あったら本編終わらせて欲しいです。