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白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

FINAL FANTASY 15 クリア済感想①

 ①とはしたものの、言いたいことだけはとりあえず全部言っていくスタイルで行く感じで。

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 放置時間がかなりあるので、実質は30時間位でクリアして、そのあと20時間位クリア後プレイした感じです。釣りやモブハント、ラッシュ系裏ダンジョンなどいくつか終わってないクエストはあるものの、ファントムソード全部集め、物語のあるサブクエストは釣り以外全部クリアし、マリオダンジョンも終わらせたので一旦ここで打ち止めになります。

 前提として、いままでFFは1~14まで11以外は全てクリアしており、主だった外伝作(4TA、10-2、13-2、13-3、タクティクス、クライシスコア、零式とかとか)もクリアしていまして、一番好きなのが6、一番微妙なのが10で、バトルは5と13が好き、ストーリーなら8と9が好きと言った感じに若干好みが変であることは注意していただければと思います。

 とりあえず①ではFFとしてではなく、オープンワールドアクションRPGとして、大作ゲームとして面白かったかどうかという点から見ていきたいと思います。FFとして面白かったかどうかは言うまでもないんですが、書く気になったら②で書きたいと思います。FFの個人的取扱とかでいろいろかんがえないといけないとこあるので。

 

◎良かった点1:圧倒的「旅」感

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 このゲーム、一つだけ文句の付け所のない点があって、それがオープンワールドで「冒険」ではなく「旅」をしているということをはっきりと実感として味あわせてくれることです。

 ほぼほぼすべての要素が「男四人で楽しそうに旅をする」ということの「わくわくを実感させる」というパラメータに惜しげもなく振られており、「旅」を「面白いと感じさせる」点では圧倒的な傑作と言えるでしょう。

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 ライトユーザーをオープンワールドに慣らすという意味でもかなり優秀で、特に何もしなくてもオープンワールドの面白さが最序盤で理解できるようになっているのが巧妙に感じる。

 

 とくに写真の活用方法は素晴らしいの一言に尽きる。一日の終わりに旅の写真を見返す、というのは実際の旅行でもやったりすることで、写真に応じて仲間がコメントを言ってくれたりするのがすごく良い。

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ピンボケ写真があったりするのもリアルだが、かっこいい写真や心霊写真、モノクロ写真などとにかく「自分では撮らないような面白い・イイ写真」が勝手に取れていくのは絶妙。

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  かっこいいノクティス王子。奴だけは物語中ではっきりと成長するのだけれど、その成長の終わりと、旅の終わりを重ねた終盤の演出はなかなかに憎い演出でした。

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 正直写真要素がなかったらこのゲームはクソゲーと言ってもいいくらいに、写真が効果的に使えているし、写真を楽しめなければ面白くない。

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 だからこそ写真が楽しめるようにゲームデザインされているのは間違いない。ライトユーザーへの訴求力としては十分なものでしょう。

 

 料理は見事です。それにしてもちょっと料理の種類多すぎで、正直料理にかけるリソースが多すぎるのは否定出来ないんだけど、ここにかけたリソースをストーリーやオープンワールドに費やしたとしても、大した物量にはならないだろうから、細部に命をかけるのは間違いではない。すくなくともプレイした人の印象に残るし、なにより泊まる・食べる楽しさが発生する。

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 旅を楽しくするため、という意味では料理も、釣りも、写真も大正解だし、なによりキャンプの雰囲気はまさに「旅行」感満載でたまらない。

 

 そしてドライブという他のオープンワールドにはない要素が、それらの旅をしている感覚を強調できている。

 正直、車の操作が殆どできないし、そのうえ仲間はさほどしゃべらないので(なんか車の中で色々動くけど会話は少ない)、必然的に周りの風景を楽しむことになる。後半は正直つまらなくなるんだけれど、中盤まではその風景を楽しむだけでもたまらなく楽しい。多分風景に飽きてきたらメインストーリーのススメ時かと。あとクリア後空から見るのはそれ以上に楽しい。途中仲間が増えたりすると、わりと細々とした要素が変化するのでそれも面白い。イリスはぶっちゃけ任意で再加入できればよかったと思う。

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 チョコボもなかなか良いんだけど、レンタルじゃなくて購入がしたかったなぁとは思いますね。いやチョコボレース難しかった……

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 ただ、これら「旅」要素に徹底的に詰め込んでいて、他の部分がなおざりになった結果、総括的に見ると良ゲーでしかなくなってしまっているのが、非常にもったいない点であります。

 たとえば終盤のストーリー上の転機は基本的に「旅の終わり」を演出するために作られた強引な展開だし、最序盤、キングスグレイブの物語に主人公一行が全く関与しないのは、間違いなくあれが入ったらシリアスで必死な「物語」「冒険」になってしまうから。

 かといって旅の終わりを演出するためには終盤のリニアな展開はある程度必要だったし、その展開を効果的に演出するためにはのんびり気ままなオープンワールドは邪魔でしかない。

「旅」がメインテーマであるがゆえにどうしても演出が難しい点が出てきてしまい、その部分は切り捨てたんだな、というのがよーくわかってしまう。

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 後述するリヴァイアサンや、オープンワールドにできるところでオープンワールドじゃないこと、ヴェルサス時代からずーーーーーーーーーーーーーっと期待していた新宿の残念さは切り捨てられたゆえだろう。納期があるものとはいえ、正直もったいない。

 このようなストーリーの問題点はいくつもあるものの、一貫して「旅のはじまりからおわりまで」を印象づけるためにたくさんの要素をつぎ込んできたというのは、FF15で文句なしに褒め称えるべき点であり、それだけで良ゲーと断じてもいいし、それだけで7割以上の魅力を言えてしまう故に、それ以外の悪い点が際立ってしまうのだと思う。

 

◎良かった点2:脇道へそらさせようとしてくるグラフィック・ゲームデザイン

 基本的に「旅」のためにすべてが構築されているため、メインストーリーを進めようとするよりも、サブクエストや旅をさせようとする要素がかなり強くなっている。これは良くも悪くもではあるのだけれど、なにをするでもなくいつの間にか脇道にそれていて、その割にメインストーリーに戻りやすいというか、脇道にそれていることも含め物語であるという感覚は、あまり他のオープンワールドにはない要素かなと思う。

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 また、グラフィックのきめ細かさは、多分どの角度で写真にとっても大丈夫なようになんだけど、手を抜くべきところは手を抜いてたりするのでそのあたりも含め、うまいなぁと感じる。

 

◎良かった点3:バトル(13章を除く)

 バトルはいくつかの欠点に目をつぶればかなり楽しいです。

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 そりゃあ、ヴェルサスに期待していたものとの落差はひどいものだけれども、それでも15として期待していたものに9割は応えてくれています。

 適当にボタンいじってればある程度かっこいい動きができて、かっこいい動きに応じて良いダメージを叩き出せる。その割にバックアタックとかマップシフトとか部位破壊とか結構細々とした要素があって、それらも適当にボタンいじってればなんとでもなるし、それらを有効活用すれば一気に戦いが楽に・楽しく・面白くなる。

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 ある程度相手とこちらのレベル差があっても、弱い敵でも敵の特性・動きを把握し、ある程度操作がうまくならないと、勝てはするけど楽勝とは行かないし、逆に強い敵でも特性さえ理解してしまえばある程度はゴリ押しでも勝てる。

 救済措置的にアイテムのリキャストタイムがないので、終盤以降かなりバトルがつまらなくなるのだけれど、それはともかくとして、色々とやり込める要素が強いとは思います。

 ただ、キングダムハーツと違ってもう一度はじめからやりたいかと言われれば否、なんだよなぁ。これはバトルの爽快感が終盤難しさに押されてなくなっていくからなんですよね。

 

◎良かった点4:FFへのリスペクト

f:id:AstiN:20161211213134p:plain ていうかチャダルヌークのことなんですけど、ファイナルファンタジーの過去作へのオマージュというのは、FF12あたりから結構顕著なんですが、FF6ネタであるところのチャダルヌークはうまく使えてたような気がします。単純に雰囲気的なものですが。

 逆にマシンナリィはねーよって思いましたけどー。

 

◎良かった点5:やりこみ要素、サブ要素の多彩さ

 多彩といってもほとんどただのお使い・サブクエストだが、「旅」への没入感を高めるという意味で、これがたくさんあるのは素晴らしいことだったと思う。

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 ほとんどすべてのイベントに対して、4人の仲間たちが短めの会話をするのがとても良かった。これがあるのとないのとではおそらく印象がまるで違っただろうと思う。

 正直途中からイベントの内容が雑になってることもあって(後述するカエルが顕著)、この会話でモチベーション維持してたところがある。

 

☓悪かった点1:ストーリーが雑極まりない

 ストーリーに関しては、よく言われている後半のリニアな展開の酷さはまあ、言うまでもないんですが(とくに意味もなくキャラクターを傷つけるのはだめでしょう。あれはそういう展開でしかお涙頂戴できない陳腐なテレビドラマ以下の展開です)、それ以上に「旅」以外の軸がまったくないのがひどい。

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 王都襲撃前までと、王都襲撃直後の展開は割りと必然性があって面白い。王の力を得るという目的もできる。しかしそこからは駄目駄目。ファントムソードをあつめていきながら、その先々でイベントが発生するのかなと思ったら、今度は六神に話の中心が移ってファントムソードはどうでも良くなる。かと思えば六神の設定は作中で大して細かく説明させず、なんだかどれが軸になっているのかあいまいなまま中盤〜後半は話の流れ・勢いだけで進んでいく。

 常に旅をさせる、という意味では悪くないシナリオなんだけど、それだったらファントムソード収集のみでおおむね終わらせても問題なかったはず。

 後半、列車の旅に入ってから、より多彩な土地に行くことになるわけで、車も載せてるんだからここでもう2つくらい小規模な箱庭を作って、そこで物語を示してあげればよかったと思うわけです。

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ロケーション的にはかなり魅力的な場所が多かったのに、一本道ですからね。正直意味分からない。

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まあ時間がなかったんでしょうね。許されるものではないけれど。

 とにかく「理由付け」「背景設定の語り」が足りなすぎて、その上で「あるべき展開」「入れるべきイベント」が徹底的に省かれていくので、途中から本当にストーリーに対する興味が失せていく。どうでもいいから早くクリアさせろって感じになる。

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「旅」を重視するが故の勢い任せなんだろうけど、だったら中盤からラストまでの一本道の何処かに、きちんと旅の「後半」を堪能できる場所を詰め込むべきだった。それは13章では絶対にないはず。

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 だからこういう説明を凝縮したような状態になっちゃう。これ見たときショックでしたよ。○○に行けるのかと思いきや行けないんだもの。

 

☓悪かった点2:キャラクターの幹の部分が細すぎる

 これはストーリーのせいでもあるんだけれども、「旅の仲間」としてのキャラクターは確立されているのに、「仲間であること」の動機づけが非常に薄い。

 なぜそのキャラクターが仲間になったか/そういう立ち位置にあるのか、という根っこの部分はブラザーフッド


BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV Episode1 「Before the Storm」/ファイナルファンタジー15

で示されていて、だから仲間になっていることはわかるが、だから?

 プロンプトがこの物語で仲間であった意味は? イグニスが○○になった意味は? グラディオラスが一時的だが唐突に仲間から外れる意味は?

 メインストーリーに関わる何もかもが、話をすすめるための都合でしかなく、根拠がない。この物語で仲間であることに全く意味が見いだせないため、彼らが言う言葉はすべて薄っぺらく、上っ面をなぞるだけになってしまっている。

 逆にメインテーマである「旅」、葉っぱの部分に関しては彼らの言葉や行動に説得力や重みがある。だからラストの演出は素晴らしいのだけれど、だからこそ、メインストーリーを疎かにしすぎたのが致命的になっている。素晴らしい演出なのに、どこか冷めた目で見てしまう自分がいた。あれはきつかった。

 

☓悪かった点3:明らかに時間が足りなくて削除した感満載の中盤以降の要素

 13章はラストダンジョン付近で入れるものではないということを除けば悪くないものだと思います。間違いなく中盤の山場のダンジョンでしょう。テイルズならそうしてる。ムダに長いのはまあ、そういうダンジョンもあるでしょう。ずーーっとうざったい声で話しかけられるのはむかつきますが、キャラ的には当然やるはずの行為なので理解できますし。

 けど、仲間同士の上辺だけの関係性のイベントのために強引に挟まれる唐突なファントムソード探しとか、明らかにとってつけたようなシガイの真実とか、序盤の重要人物が中盤以降会話で言及される以外登場しないとか、ラスボスではなくとも終盤メインを張るんじゃないかと思いきや使い捨て同然のボスにされてしまうキャラとか、何ら驚きも意表も突かない吟遊的道化師キャラとか。

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 勘弁してくれと思わずにはいられない「強引にまとめちゃおう感」は、もう少しなんとかならなかったのかと思ってしまう。

 

☓悪かった点4:いくつかのサブクエスト・隠し要素の始末に負えないめんどくささ

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 まあカエルなんですけど、わかりにくい場所に隠れているカエルを5匹、鳴き声から見つけ出すクエストはひどかったです。 

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 あとモブハントは多すぎ。多すぎるのに一つづつしか受注できないし報告しないと受注できないし、初代ナナドラと同じくらいひどい。

 あ、そういえばサブクエストに関しては同時受注できるので、旅してる途中で他のサブクエストの方も一緒にこなしちゃったりするのは、オープンワールドの醍醐味ですよねー。

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 マリオダンジョンはまじで糞なのですが、難易度的にはそこまでではないです。5時間位かかりましたが。

 この隠しダンジョンに関してのみ、作る暇があったら他のところにリソース割けよって本気で殺意を覚えました。覚えてても進めないのはほんとつらい。

☓悪かった点5:リヴァイアサン

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 ここまで色々いってきましたが、一番失望したのがリヴァイアサン戦です。言葉もない。 

 

<総括>

 というか、「旅」を楽しめるかどうかに尽きるんですこのゲーム。

「旅」を楽しませるために最大限の努力をしているゲームなので、プレイしてみれば割りと多くの人が楽しめると思います。ホスト4人の旅とかいらんと思わずに、プレイしてみれば多分楽しいです。

 ただ、その楽しさがメインストーリーのダメさを上回るかどうかは、人それぞれかと思います。自分はうまく楽しめたのですが、このゲームを酷評する理由も当然ながらわかってしまうのです。

 でも、少なくともプレイしている最中、終盤以外は存分に楽しめました。ラストの旅の終わりの喪失感は割りと印象的でした。終盤がなければもっと喪失感強かったでしょうけど、だからといって駄作ではない。

 天才ではない人たちが、最大限頑張った良作という感じですね。

 あ、そうそう、音楽は良曲づくしですよ。キングダムハーツほどではないけれど。あとFF13ほどではないけれど。下村さんならもっといい曲作れる感あったけど。

 

 

 

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 フェニックスの尾を使うプロンプトくん。バグには殆ど会わなかったけど、旅の途中のバグは笑えるんですよ。ていうかバグの理由がだいたい想像つくのが楽しい。