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白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

9月読了分

9月の読書メーター
読んだ本の数:11冊
読んだページ数:4415ページ

絶望ノート絶望ノート
で? だから何? といいたくなる。正直なところトリックは予想の範疇だし、登場人物の動きも微妙。「葉桜・・・」のようにトリックだけですべてをけん引できる作品ではないのにもかかわらずトリック以外のいじめの部分などに軽薄な感じが目立つ。読後感が悪いとかそういう問題ではなく作者がこの話に本気で取り組んでない気がした。トリックありきで詰めが甘すぎる。褒めるところがあるならば主人公のラストあたりの言動が淡々としていてうまいというあたり。
読了日:09月30日 著者:歌野 晶午
シルフ警視と宇宙の謎 (ハヤカワepiブック・プラネット)シルフ警視と宇宙の謎 (ハヤカワepiブック・プラネット)
透明感のある文章で変てこな物語が描かれている。個人的には物理学者の一家の、父親の(孤高の)友人との関係をもとに繊細に紡がれた家族の物語だと思う。リタといいシルフといい警察側の人間は反則的な感じなのと対比するかのような淡々とした家族描写が印象的だった。
読了日:09月30日 著者:ユーリ ツェー
あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)
言われているほどすごい本ではないと思うけれど、「理解」の描写力、「七十二文字」の超発想、「顔の美醜について」の物語の運びといった繊細な部分がしっかり作られていると思う。基本的にまず結末ありきで作品を作っているようで結末にたどりつくために小説を読むということが苦手な私にはきつかった。
読了日:09月26日 著者:テッド チャン
密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)密室殺人ゲーム2.0 (講談社ノベルス ウC-)
前作を読んでいないと面白さは八割減な感じがする。前作のラストからうまく展開したと思う。でも前作の個々の密室のあまりのインパクト、単純な密室殺人の連続のはずなのにうまくリンクして物語が発展していく様子などを期待していると肩透かしを食らうかも。確かに「相当な悪魔」からの流れは先が読めるけど秀逸な展開、けれどもやはり舞台裏を絡めた罠は前作がはるか上。でも結局彼らはあれだから、しょうがないのだ、と解釈させようと作者は思っているのかもしれない。だけど物足りないよ、実際。
読了日:09月21日 著者:歌野 晶午
少女たちの羅針盤少女たちの羅針盤
少し疾走感を出そうとしてご都合主義なところがあるけれど全体としてみれば比較的良くできた青春小説。犯人とミスリードが中盤で分かってしまったり三人称視点のめくるめく変化についていけなかったりと細かな部分に不満がかなり残るものの、登場人物の動きがはきはきとして躍動感に満ちているのがいい。キャラがちょっと定型すぎる感じはあるけれどその混ぜ方がうまいというかんじ。
読了日:09月20日 著者:水生 大海
新世界より (講談社ノベルス キJ-)新世界より (講談社ノベルス キJ-)
ぶあつい……ぶあついよ……。先はある程度読めるけれど作者がうれしそうに世界観を説明してくれるので楽しくなってくる。後味悪いけどストーリー性もありキャラ性もあり問題提起もあり、非常によくできた小説だと思う。伏線だということを強調する文が多用されているのは物語の筋書きは大体分かるだろうからとにかく世界観を楽しんでくれ、という作者からのメッセージだと解釈した。まあとにかく、分厚い。
読了日:09月12日 著者:貴志 祐介
ズッコケ中年三人組age43ズッコケ中年三人組age43
ハカセの推理と終盤の流れがすごくズッコケらしかった。結局題材を裁判員制度というものにした以外はいつものズッコケだと思うけど、まあ、すこしかったるい部分も否めなかったかなぁ。
読了日:09月06日 著者:那須 正幹
不全世界の創造手(アーキテクト) (朝日ノベルズ)不全世界の創造手(アーキテクト) (朝日ノベルズ)
浅いふりしたかなり深い話、だけど軽く読める。意外に小川一水のいいところがいっぱい出てていいのかも。盛り上がりに欠ける。
読了日:09月06日 著者:小川 一水
贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
この作者のやり口というか基本的な手法である独白形式、というのはすごく感情移入をしづらいという特徴があると思う。それをうまく生かしきれたという印象を持った。前作の『少女』が本当にへたくそで、もうどうしようかと思ったけど今回はかなり良かった。『告白』で手に入れた自分の手法をしっかり完成させてきたかな、と思う。ただあくまで完成品であり湊かなえという作者の土台がここで固まった、という意味の作品でしかないためこの手法の応用が次回作で問われる、というか次回作に期待。テーマ性を排し、徹底的に陰鬱に描く人間描写がいい。
読了日:09月06日 著者:湊 かなえ
煙突の上にハイヒール煙突の上にハイヒール
作者の性善説的?な物語の閉じ方を強調した短編集。SF的なガジェットを物語の添え物として用いるものとしてはかなり質が高い部類に入ると思うけど、いかんせん弱い。作者も自分の作品の弱い点を理解しつつ書いている感じが節々から感じられるのだが、それでも全体的な小説としての弱さは否めない。これといってすごい部分がないというか。でも、小川一水のこういう作品、という意味ではターニングポイントとして重要なのかもしれない。弱い弱い言ったけど実際つまらなくはないし。
読了日:09月06日 著者:小川 一水
老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
すごく「らしい」作品群。面白いし、導入が弱くても結末が上手い話が多いので損した気分にならないのはすごくいい。個人的にはギャルナフカの迷宮の想像させないのに想像できる感じが面白い。
読了日:09月01日 著者:小川 一水

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