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白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

少女 湊かなえ

 前作『告白』が大ヒットした作者の弐作目。個人的には前作はかなり面白かったし、文章の質も高かったと思うのですが、今回のは大外れ。ハッキリ言って下手になりました。物語の題材は比較的いいものだし、その処理の仕方、登場人物の配置などの部分もよかった。しかし下手でした。何回か意味がわからなくて読み返してしまう個所があって、でこう書くならもう少しうまく書けるだろうと思う場所ばかり。

 感情移入できない登場人物、というのは前作でも用いていて、かなりうまく使えていた記憶があるので多分その流れだったのだろうけれど、この小説では失敗としか言いようがない。あまりに創られた感じのある登場人物たちの動きはなんだかぎこちなくて、その裏に作者が見えてくる。前作があれほどまでに作者の顔が見えないのに独特の毒に満ち溢れていたのに、この作品はいわば陳腐だ。出てくる登場人物は如何にもな若者観でこてこてな割にそれを出しきれていない。結局のところB級に終わっている。

 でも面白いことは面白い。物語はスラッと入っていけるようになっているし、なにより前作を期待して読むから普通の小説ではありえないと思うような登場人物のリンクもそれほど違和感がない。だが読了後のがっかり感は異常だろう。

 デビュー後の2作目、というのは大事なんだけれども、結局数多の凡人作家に堕ちる気がするなぁこのままじゃ。『贖罪』に期待。

 評価:3