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白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

FINAL FANTASY 4 THE AFTER 月の帰還

 携帯アプリとして2008年2月から配信されていた、FF4の続編であるこの作品は、12月の配信で無事完結した。
 物語はFF4のその後の話。FF4の主人公セシルの息子セオドアが赤き翼の見習いとして遠征に向かうところから始まる。なくなったはずの月が戻ってきて、世界各地で異変が起こり始めるのだ。
 物語自体は非常に浅い。各キャラクターごとにシナリオを作るのは良かったが、前作を踏襲しすぎていて、全体的にあまり重厚なストーリーとはなっていない。初めはセオドアの成長物語かと思いきや、結局カインが主人公だったという、何が起きたのかさっぱりわからない展開があったり、終盤のストーリーがあまりにも作りが甘く、終章ではほとんどがダンジョンであったりと、せっかくキャラクターを増やしたのにそれを全く生かしきれないまま終わってしまった感がある。あるいはキャラクターを増やしすぎて収拾がつかなかったというべきか。
 戦闘はATBで、本編の、特にDSのほうのシステムを踏襲している。その上でクロノトリガーの連携技のような「バンド」というものと、時間によって通常攻撃や魔法の威力が変化する「月齢」というものが導入されている。どちらも戦闘に戦略性を加えるのに良い役割を果たしており、戦闘に関しては正統進化型の非常に良いATBとなっていると思う。
12月に配信された終章の後編では、FF1~6の各作品からボスが総出演しており、リメイク版FF1の追加ダンジョンを彷彿とさせた、が、本編でこのような演出をするのはあまりよろしくないと思う。結局のところ新規開拓をすることができず、過去の遺産に頼ってしまったというのは現在のスクエニの窮状を象徴しているように思われる。
 ダンジョンはほとんどが流用で、流用でないダンジョンは、GBA版FF4,5,6ほどひどくないものの、面白みのない単純なダンジョンが多かった。音楽も基本的に流用で、新規の曲もあまりいい曲ではなかった。だが、ここぞというところで「ゴルベーザ四天王とのバトル」などの良曲を流してくれるのは非常に良かった。
 無意味にやりこみ要素が多く、特定の月齢の特定の場所に低確率で出現する敵が低確率で落とすアイテムを集めるためにやり込む人が多発していた。そのような釣り方のみならず、商業的に非常に良くできていた。序章は無料配信されており、再現度が高いことはすぐに確認可能。一シナリオ300円程度で安く見える、が実は高い。定期的に配信することで不満を少なくする。
 物語は非常に残念な出来だが、携帯でATBの戦闘ができるというメリットは大きかった。だが、どうせなら本編を携帯アプリに移植してほしかったものだ。

小説 ファイナルファンタジーIV 上 (GAME NOVELS)

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