白い林檎、硝子のスープ

読書・ゲームなどの感想を書いていくです

FINAL FANTASY 15 クリア済感想①

 ①とはしたものの、言いたいことだけはとりあえず全部言っていくスタイルで行く感じで。

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 放置時間がかなりあるので、実質は30時間位でクリアして、そのあと20時間位クリア後プレイした感じです。釣りやモブハント、ラッシュ系裏ダンジョンなどいくつか終わってないクエストはあるものの、ファントムソード全部集め、物語のあるサブクエストは釣り以外全部クリアし、マリオダンジョンも終わらせたので一旦ここで打ち止めになります。

 前提として、いままでFFは1~14まで11以外は全てクリアしており、主だった外伝作(4TA、10-2、13-2、13-3、タクティクス、クライシスコア、零式とかとか)もクリアしていまして、一番好きなのが6、一番微妙なのが10で、バトルは5と13が好き、ストーリーなら8と9が好きと言った感じに若干好みが変であることは注意していただければと思います。

 とりあえず①ではFFとしてではなく、オープンワールドアクションRPGとして、大作ゲームとして面白かったかどうかという点から見ていきたいと思います。FFとして面白かったかどうかは言うまでもないんですが、書く気になったら②で書きたいと思います。FFの個人的取扱とかでいろいろかんがえないといけないとこあるので。

 

◎良かった点1:圧倒的「旅」感

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 このゲーム、一つだけ文句の付け所のない点があって、それがオープンワールドで「冒険」ではなく「旅」をしているということをはっきりと実感として味あわせてくれることです。

 ほぼほぼすべての要素が「男四人で楽しそうに旅をする」ということの「わくわくを実感させる」というパラメータに惜しげもなく振られており、「旅」を「面白いと感じさせる」点では圧倒的な傑作と言えるでしょう。

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 ライトユーザーをオープンワールドに慣らすという意味でもかなり優秀で、特に何もしなくてもオープンワールドの面白さが最序盤で理解できるようになっているのが巧妙に感じる。

 

 とくに写真の活用方法は素晴らしいの一言に尽きる。一日の終わりに旅の写真を見返す、というのは実際の旅行でもやったりすることで、写真に応じて仲間がコメントを言ってくれたりするのがすごく良い。

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ピンボケ写真があったりするのもリアルだが、かっこいい写真や心霊写真、モノクロ写真などとにかく「自分では撮らないような面白い・イイ写真」が勝手に取れていくのは絶妙。

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  かっこいいノクティス王子。奴だけは物語中ではっきりと成長するのだけれど、その成長の終わりと、旅の終わりを重ねた終盤の演出はなかなかに憎い演出でした。

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 正直写真要素がなかったらこのゲームはクソゲーと言ってもいいくらいに、写真が効果的に使えているし、写真を楽しめなければ面白くない。

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 だからこそ写真が楽しめるようにゲームデザインされているのは間違いない。ライトユーザーへの訴求力としては十分なものでしょう。

 

 料理は見事です。それにしてもちょっと料理の種類多すぎで、正直料理にかけるリソースが多すぎるのは否定出来ないんだけど、ここにかけたリソースをストーリーやオープンワールドに費やしたとしても、大した物量にはならないだろうから、細部に命をかけるのは間違いではない。すくなくともプレイした人の印象に残るし、なにより泊まる・食べる楽しさが発生する。

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 旅を楽しくするため、という意味では料理も、釣りも、写真も大正解だし、なによりキャンプの雰囲気はまさに「旅行」感満載でたまらない。

 

 そしてドライブという他のオープンワールドにはない要素が、それらの旅をしている感覚を強調できている。

 正直、車の操作が殆どできないし、そのうえ仲間はさほどしゃべらないので(なんか車の中で色々動くけど会話は少ない)、必然的に周りの風景を楽しむことになる。後半は正直つまらなくなるんだけれど、中盤まではその風景を楽しむだけでもたまらなく楽しい。多分風景に飽きてきたらメインストーリーのススメ時かと。あとクリア後空から見るのはそれ以上に楽しい。途中仲間が増えたりすると、わりと細々とした要素が変化するのでそれも面白い。イリスはぶっちゃけ任意で再加入できればよかったと思う。

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 チョコボもなかなか良いんだけど、レンタルじゃなくて購入がしたかったなぁとは思いますね。いやチョコボレース難しかった……

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 ただ、これら「旅」要素に徹底的に詰め込んでいて、他の部分がなおざりになった結果、総括的に見ると良ゲーでしかなくなってしまっているのが、非常にもったいない点であります。

 たとえば終盤のストーリー上の転機は基本的に「旅の終わり」を演出するために作られた強引な展開だし、最序盤、キングスグレイブの物語に主人公一行が全く関与しないのは、間違いなくあれが入ったらシリアスで必死な「物語」「冒険」になってしまうから。

 かといって旅の終わりを演出するためには終盤のリニアな展開はある程度必要だったし、その展開を効果的に演出するためにはのんびり気ままなオープンワールドは邪魔でしかない。

「旅」がメインテーマであるがゆえにどうしても演出が難しい点が出てきてしまい、その部分は切り捨てたんだな、というのがよーくわかってしまう。

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 後述するリヴァイアサンや、オープンワールドにできるところでオープンワールドじゃないこと、ヴェルサス時代からずーーーーーーーーーーーーーっと期待していた新宿の残念さは切り捨てられたゆえだろう。納期があるものとはいえ、正直もったいない。

 このようなストーリーの問題点はいくつもあるものの、一貫して「旅のはじまりからおわりまで」を印象づけるためにたくさんの要素をつぎ込んできたというのは、FF15で文句なしに褒め称えるべき点であり、それだけで良ゲーと断じてもいいし、それだけで7割以上の魅力を言えてしまう故に、それ以外の悪い点が際立ってしまうのだと思う。

 

◎良かった点2:脇道へそらさせようとしてくるグラフィック・ゲームデザイン

 基本的に「旅」のためにすべてが構築されているため、メインストーリーを進めようとするよりも、サブクエストや旅をさせようとする要素がかなり強くなっている。これは良くも悪くもではあるのだけれど、なにをするでもなくいつの間にか脇道にそれていて、その割にメインストーリーに戻りやすいというか、脇道にそれていることも含め物語であるという感覚は、あまり他のオープンワールドにはない要素かなと思う。

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 また、グラフィックのきめ細かさは、多分どの角度で写真にとっても大丈夫なようになんだけど、手を抜くべきところは手を抜いてたりするのでそのあたりも含め、うまいなぁと感じる。

 

◎良かった点3:バトル(13章を除く)

 バトルはいくつかの欠点に目をつぶればかなり楽しいです。

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 そりゃあ、ヴェルサスに期待していたものとの落差はひどいものだけれども、それでも15として期待していたものに9割は応えてくれています。

 適当にボタンいじってればある程度かっこいい動きができて、かっこいい動きに応じて良いダメージを叩き出せる。その割にバックアタックとかマップシフトとか部位破壊とか結構細々とした要素があって、それらも適当にボタンいじってればなんとでもなるし、それらを有効活用すれば一気に戦いが楽に・楽しく・面白くなる。

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 ある程度相手とこちらのレベル差があっても、弱い敵でも敵の特性・動きを把握し、ある程度操作がうまくならないと、勝てはするけど楽勝とは行かないし、逆に強い敵でも特性さえ理解してしまえばある程度はゴリ押しでも勝てる。

 救済措置的にアイテムのリキャストタイムがないので、終盤以降かなりバトルがつまらなくなるのだけれど、それはともかくとして、色々とやり込める要素が強いとは思います。

 ただ、キングダムハーツと違ってもう一度はじめからやりたいかと言われれば否、なんだよなぁ。これはバトルの爽快感が終盤難しさに押されてなくなっていくからなんですよね。

 

◎良かった点4:FFへのリスペクト

f:id:AstiN:20161211213134p:plain ていうかチャダルヌークのことなんですけど、ファイナルファンタジーの過去作へのオマージュというのは、FF12あたりから結構顕著なんですが、FF6ネタであるところのチャダルヌークはうまく使えてたような気がします。単純に雰囲気的なものですが。

 逆にマシンナリィはねーよって思いましたけどー。

 

◎良かった点5:やりこみ要素、サブ要素の多彩さ

 多彩といってもほとんどただのお使い・サブクエストだが、「旅」への没入感を高めるという意味で、これがたくさんあるのは素晴らしいことだったと思う。

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 ほとんどすべてのイベントに対して、4人の仲間たちが短めの会話をするのがとても良かった。これがあるのとないのとではおそらく印象がまるで違っただろうと思う。

 正直途中からイベントの内容が雑になってることもあって(後述するカエルが顕著)、この会話でモチベーション維持してたところがある。

 

☓悪かった点1:ストーリーが雑極まりない

 ストーリーに関しては、よく言われている後半のリニアな展開の酷さはまあ、言うまでもないんですが(とくに意味もなくキャラクターを傷つけるのはだめでしょう。あれはそういう展開でしかお涙頂戴できない陳腐なテレビドラマ以下の展開です)、それ以上に「旅」以外の軸がまったくないのがひどい。

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 王都襲撃前までと、王都襲撃直後の展開は割りと必然性があって面白い。王の力を得るという目的もできる。しかしそこからは駄目駄目。ファントムソードをあつめていきながら、その先々でイベントが発生するのかなと思ったら、今度は六神に話の中心が移ってファントムソードはどうでも良くなる。かと思えば六神の設定は作中で大して細かく説明させず、なんだかどれが軸になっているのかあいまいなまま中盤〜後半は話の流れ・勢いだけで進んでいく。

 常に旅をさせる、という意味では悪くないシナリオなんだけど、それだったらファントムソード収集のみでおおむね終わらせても問題なかったはず。

 後半、列車の旅に入ってから、より多彩な土地に行くことになるわけで、車も載せてるんだからここでもう2つくらい小規模な箱庭を作って、そこで物語を示してあげればよかったと思うわけです。

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ロケーション的にはかなり魅力的な場所が多かったのに、一本道ですからね。正直意味分からない。

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まあ時間がなかったんでしょうね。許されるものではないけれど。

 とにかく「理由付け」「背景設定の語り」が足りなすぎて、その上で「あるべき展開」「入れるべきイベント」が徹底的に省かれていくので、途中から本当にストーリーに対する興味が失せていく。どうでもいいから早くクリアさせろって感じになる。

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「旅」を重視するが故の勢い任せなんだろうけど、だったら中盤からラストまでの一本道の何処かに、きちんと旅の「後半」を堪能できる場所を詰め込むべきだった。それは13章では絶対にないはず。

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 だからこういう説明を凝縮したような状態になっちゃう。これ見たときショックでしたよ。○○に行けるのかと思いきや行けないんだもの。

 

☓悪かった点2:キャラクターの幹の部分が細すぎる

 これはストーリーのせいでもあるんだけれども、「旅の仲間」としてのキャラクターは確立されているのに、「仲間であること」の動機づけが非常に薄い。

 なぜそのキャラクターが仲間になったか/そういう立ち位置にあるのか、という根っこの部分はブラザーフッド


BROTHERHOOD FINAL FANTASY XV Episode1 「Before the Storm」/ファイナルファンタジー15

で示されていて、だから仲間になっていることはわかるが、だから?

 プロンプトがこの物語で仲間であった意味は? イグニスが○○になった意味は? グラディオラスが一時的だが唐突に仲間から外れる意味は?

 メインストーリーに関わる何もかもが、話をすすめるための都合でしかなく、根拠がない。この物語で仲間であることに全く意味が見いだせないため、彼らが言う言葉はすべて薄っぺらく、上っ面をなぞるだけになってしまっている。

 逆にメインテーマである「旅」、葉っぱの部分に関しては彼らの言葉や行動に説得力や重みがある。だからラストの演出は素晴らしいのだけれど、だからこそ、メインストーリーを疎かにしすぎたのが致命的になっている。素晴らしい演出なのに、どこか冷めた目で見てしまう自分がいた。あれはきつかった。

 

☓悪かった点3:明らかに時間が足りなくて削除した感満載の中盤以降の要素

 13章はラストダンジョン付近で入れるものではないということを除けば悪くないものだと思います。間違いなく中盤の山場のダンジョンでしょう。テイルズならそうしてる。ムダに長いのはまあ、そういうダンジョンもあるでしょう。ずーーっとうざったい声で話しかけられるのはむかつきますが、キャラ的には当然やるはずの行為なので理解できますし。

 けど、仲間同士の上辺だけの関係性のイベントのために強引に挟まれる唐突なファントムソード探しとか、明らかにとってつけたようなシガイの真実とか、序盤の重要人物が中盤以降会話で言及される以外登場しないとか、ラスボスではなくとも終盤メインを張るんじゃないかと思いきや使い捨て同然のボスにされてしまうキャラとか、何ら驚きも意表も突かない吟遊的道化師キャラとか。

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 勘弁してくれと思わずにはいられない「強引にまとめちゃおう感」は、もう少しなんとかならなかったのかと思ってしまう。

 

☓悪かった点4:いくつかのサブクエスト・隠し要素の始末に負えないめんどくささ

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 まあカエルなんですけど、わかりにくい場所に隠れているカエルを5匹、鳴き声から見つけ出すクエストはひどかったです。 

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 あとモブハントは多すぎ。多すぎるのに一つづつしか受注できないし報告しないと受注できないし、初代ナナドラと同じくらいひどい。

 あ、そういえばサブクエストに関しては同時受注できるので、旅してる途中で他のサブクエストの方も一緒にこなしちゃったりするのは、オープンワールドの醍醐味ですよねー。

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 マリオダンジョンはまじで糞なのですが、難易度的にはそこまでではないです。5時間位かかりましたが。

 この隠しダンジョンに関してのみ、作る暇があったら他のところにリソース割けよって本気で殺意を覚えました。覚えてても進めないのはほんとつらい。

☓悪かった点5:リヴァイアサン

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 ここまで色々いってきましたが、一番失望したのがリヴァイアサン戦です。言葉もない。 

 

<総括>

 というか、「旅」を楽しめるかどうかに尽きるんですこのゲーム。

「旅」を楽しませるために最大限の努力をしているゲームなので、プレイしてみれば割りと多くの人が楽しめると思います。ホスト4人の旅とかいらんと思わずに、プレイしてみれば多分楽しいです。

 ただ、その楽しさがメインストーリーのダメさを上回るかどうかは、人それぞれかと思います。自分はうまく楽しめたのですが、このゲームを酷評する理由も当然ながらわかってしまうのです。

 でも、少なくともプレイしている最中、終盤以外は存分に楽しめました。ラストの旅の終わりの喪失感は割りと印象的でした。終盤がなければもっと喪失感強かったでしょうけど、だからといって駄作ではない。

 天才ではない人たちが、最大限頑張った良作という感じですね。

 あ、そうそう、音楽は良曲づくしですよ。キングダムハーツほどではないけれど。あとFF13ほどではないけれど。下村さんならもっといい曲作れる感あったけど。

 

 

 

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 フェニックスの尾を使うプロンプトくん。バグには殆ど会わなかったけど、旅の途中のバグは笑えるんですよ。ていうかバグの理由がだいたい想像つくのが楽しい。

サガ スカーレットグレイス プレミアム体験会のかんたんなかんそう

FF15もクリアしましたが、12月15日にはサガの新作が出ます。 

12/3に銀座であった体験会、かなり狭き門なのに当選できたので、ワクワクしながらいってきました。

www.famitsu.com

これですね。

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 普段こういう奥まったとこにある小洒落たbarなどいったことがないので緊張しましたが、入り口がこうなってて一安心。

 

◎スカーレットグレイスバー

 bar内装自体については、コンセプトバーとして手堅くもとてもよい印象を持ちました。正直こういうのいったの自体がシェルノサージュコラボしたときのシャッツキステ以来なので、出来の良し悪しはぜんぜん分からないですが、小物関係の凝り方とかも十分な印象でした。f:id:AstiN:20161203144733j:plain

 でかでかと小林智美さんのキャラ絵が飾ってあるのが嬉しい。ていうかすっごい多いなキャラクターとか思いました。

 なによりコラボメニューがとても美味しくしっかりとした出来で、非常にアルコールの欲しくなるものでした。ていうか思った以上にキッチリした料理でさすがbarだなぁと。

f:id:AstiN:20161203160122j:plain 特にタリアの前菜盛り合わせ(一番前)は味が染み込んでて美味しかった……おさけ…… ほしい……

 

 飲み物については数種類(閃きスパークリング、デスブリンガー、スカーレットグレイス、ファイアブリンガー、その他ソフトドリンク系)自由に頼んでいいとのことで、わりと色々と頼んでしまいました。写真はノンアルコールのスカーレットグレイス。下の部分は飲まなくていいらしいです。ちょっと飲んじゃったけど味しなかった。f:id:AstiN:20161203163332j:plain

 

◎体験会

 体験会は1時間程度黙々とプレイしたあと、試食&開発者と自由に話したり&続きをプレイしてもいいというわりと自由な構成。相当に距離が近いイベントで、サインも貰えたし話もできたしひたすらに楽しかったですね。どうせサインもらうなら家にあるロマサガ3のカセット持っていくべきだったかなぁ……とあとで思いました。

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操作方法が印刷された紙(多分説明書)を読んでるだけでもわりとたのしかったです。

 河津さんとも話せて、開発の方々の意気込みと、若干クセの有るゲームだからこその

 

 

◎ゲーム内容について

 わりとプレイの感想とかどう作ったかの話とか軽めに聞いただけでさほど開発の深い話は聞けてないのでそのあたりは省くとして、試遊1時間ちょいのプレイインプレッションを。

 

☆ストーリー・キャラクター

 タリアでプレイ。電撃のインプレッションにも書いてあったように、割りと容赦がない。そもそも冒険の動機が突拍子がない上に(焼き物が歪む→世界が歪んでいる→歪んでいる原因を探る→とりあえず近くに火の鳥がいたから殺す→不死鳥だから……)わりとマイペース(海渡りたくないとか、ある事柄について含みを持つ言い方をしながら放置とか、とりあえず殺そうとしたりとか)。

 ただ、冒険の途中でわりとタリアが「世界の背景や物事の本質を理解している」ような描写があって、多分突拍子のない内容も理由があってのこと、おそらくタリア編は核心に迫る内容なのだと思いました。最初にやるならなんとなく初心者向けな感じのするレオナルドとウルピナのどちらかなんだろうなぁと。そう思ってると裏切られるかもですが。

 

 1時間程度だとまだまだ序盤で、ほぼほぼストーリー以外の場所にはいけませんでしたが、その間にも割りと自由度の高い選択肢がありました。その選択肢がどう影響をおよぼすのかはわからない上にその選択肢を選んだ直後に何かイベントがあるわけではなく、おそらくそういうフラグの蓄積によって先々の展開が変わってくるんだと思いますが、そういうのがかなり多いので攻略大変だろうなって思いました。ていうかこれ河津さん以外全貌を把握しきれないんじゃなかろうかw

 

 仲間はどんどん増えていくようです。ちょっとイベントで話したキャラはすぐに仲間に入りますし、適当に入った街でいきなりモブの「街の人」を仲間に誘ったりしました。まあ仲間になってステータス画面見たら某哲学者の名前だったのでただのモブではないっぽいですが、外見上はただのモブです。ていうか名前だけかも?

 

 そうそう、キャラクターごとにステータス画面で一文、フレーバーテキスト的な紹介文があるんですがこれがすごく面白い。一文だけでキャラの個性がはっきりとでているうえ、いろいろと深読みできるようにつくられている。おそらく物語上でさほど語られることはないだろうけれど、こういう細々した部分が丁寧に作られている印象を受けました。

 総じて物語はかなりサガらしいというか、自分的に一番好きなサガフロの会話に若干近いものを感じて楽しかったです。

 

☆マップ

 思った以上に綺麗、という表面上の印象はともかく、割りとひとつひとつのマップごとの個性が強い印象を受けました。とりあえず20のマップ(州)に分かれており、火山のあるマップや小さい城が入り交じる海のマップ、戦争してるマップなど個性豊か。わりとマップ上で船が動いたり水門が開いたり、状況が変化していくので街が滅びるのもありそう。

 タリアだと火の鳥を追うルート以外の他のマップにはまだ行けなかったので、導入部分すら終わらなかったんですよねー多分。

 

☆ロード

 バトル関係のロードははっきりいってほとんど気にならないです。流石にバトル突入時のロードはちょっと長いですが、そもそも1バトルに数ターンかかるので、FF15のマップロードみたいなものかなぁ。TGSのときならともかく、完成版は十分なロードの短さだとおもいます。フィールドだと全くロードないですし。

 割りと色々と考えて戦うタイプのゲームなので、行動選択後のReady→Goの演出は逆にアリ。行動が始まったらすごい勢いなので、その前段階のタメとして効果的になっています。

 バトルについてはあまり問題なかったのですが、メニュー画面関係の暗転が若干長いのは気になったところ。長いといってもPS版FF6のようなくっそ長いものではないですし、さほど頻繁に使うわけではないのですが、若干気になりました。最近で言うとメアリスケルター的な若干の遅さ。レスポンスはすごく早いんですけどね。

 

☆バトル

 幸いにして全滅しなかったのですが、初戦がいきなりHardで3人死んだときは焦りました。それ以降は割りと慎重に連撃狙いで術優先で戦ったらほとんど安定して戦えました。

 今回術がかなり(少なくとも序盤は)強いです。貯めがあるんですがBPを消費するのは詠唱開始時のみなので、術の発動ターンに他の攻撃を全BP分つぎ込める。実質そのターンは術の分BPを余分に使えています。

 今回のBPを消費して戦うバトルだと、1ターン目に全体術を使って他待機、2ターン目に術発動を見越して連撃発生するように一人を狙うのがスムーズに倒すコツかなぁとおもいますね。

 ただ、そこにリザーブ技という概念が入ってくるととたんに難しくなっていく。リザーブ技は行動順割り込み系なので、意図した連撃を妨げてくる。ただ、使ってくる場合???で表示されるので、それがガードなのかインタラプトなのかなどなど色々考えていけば一応は予測できます。それを考えることと、そこを踏まえてこちらの行動も決めていくということがバトルの駆け引きになるのかと。まだ序盤戦だったのでそこまで深いバトルはなかったのですが、後半難しそうだなぁと思いました。少なくとも序盤は全滅を気にしなければそこまで考えずとも勝てます。

 あと予測可能な部分以上に予測不可能な部分がいい味を出していますね。今回、閃くと閃いた技をその場で使ってくれるのですが、使ってくれるせいで予期せず敵を倒してしまって敵の連撃発生!とかいうことがあって、しかも連撃は強いので一気にピンチになりうる。

 序盤だからわからないですがおそらく今回のバトルはレベルを上げたり育成をしたりしなくても、きちんと戦術を練ればいくらでも攻略の術があるという最高なバトルになっている気がします。

 

こんなものですかね。あ、あと音楽は文句のつけどころがないです。バトルのロード、タメも音楽聞けるので否応もなく盛り上がる。イトケン最高です。

 

◎体験会終わって

 おみやげとしてコースター全種類やサイン入り大団扇、A3のドット絵小林智美さんの絵のポスターをもらってホクホクでした。

 こういう開発者との距離の近いイベントは最高だと思いましたね! 発売後も色々やってもらえると面白いと思います。多分このゲームはきちんとプレイしてからのほうが聞きたいことが増えるタイプでしょうし。

8月挫折したゲーム

割とラッシュ状態だったせいか、積みすらしなかったゲームや、データ消えてやる気なくなったゲームなどあるのでそのまとめをしておきたいと思います。

 

VALKYRIE DRIVE ?BHIKKHUNI-

VALKYRIE DRIVE ?BHIKKHUNI-

 

 これは正直クリアしたかった、というか後半戦まで来てたと思うんだけど、久々に起動したらセーブデータが読み込めなくなっていました。

 ぶっちゃけボス敵が強すぎるとかそういう欠陥はあるものの、割と楽しかった。カグラと違って爽快感ではなくテクニカルな動きが求められるのが若干難しいものの、だからこそ楽しい部分をしっかり出せているのがとてもよかった。

 ただ、カグラがエロいのに爽やかだったのに対してエロくて話も割とねとっとしていて、あと設定を理解させようとしているのか知らないけどものすごく話が進まないのであまり進めたくならないのは残念。

 

 

クロバラノワルキューレ

クロバラノワルキューレ

 

  某騒動で話題になったアレです。これぶっちゃけ駄作です。

 あまりにフィールドが広すぎたり、広すぎる割に敵がわらわらいたり、敵がわらわらいる割にバトルのテンポがかなり悪かったり、バトルに要素を詰め込みすぎてわけわからなくなってたり。

 オメガクインテット系列のコンパゲーは駄作なんですね、わかりました。

 キャラ自体は割と丁寧っぽいし、3Dモデルも出来がいいだけに、その他すべてが「面倒」なのはつらい。惰性でプレイするにはマップが広すぎる・・・

 

 

 

 

世界一長い5分間 レビューとトロコン絡み小攻略

 

世界一長い5分間

世界一長い5分間

 

  いろいろと特殊そうに見えるけれど、中身としてはいたってシンプルな懐古型RPGである。

 基本システムはとても簡単、ドラクエRPGで、物語の端々にSFC時代のRPGへのオマージュ・懐古的な演出がちりばめられているのが特徴。前に出た『いけにえと雪のセツナ』がシステム的な懐古であるのとは対照的に、雰囲気を懐古的なものにして、そのための演出としてシステムを構築している。

 正直なところ、ラスボス前に記憶喪失になった主人公が5分間で思い出していくというのを逆手に取った展開があるのかと期待していたので、若干意表を突く展開(システム上の演出と思わせておいて伏線だったという展開)はあるものの、一貫して王道的な物語だったのは肩透かしだった。

 とはいえドット絵や要所要所の演出が割とうまく展開されるので、王道展開とはいえ結構盛り上がる。先が読めるところと読めないところのバランスが非常に良い。

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 割と短編的ではあるものの、短編的だからこそ、5分間が終わったときの満足感は十分に感じられる。

 ストーリーはそんな感じで割と悪くないし、懐古的にはすごく楽しめる部分はある。しかしバトル関係が総じて残念なのは残念。ラスボス以外はほとんどオートバトルで倒せるのはともかくとして、エンカウント率が高く、エンカウントを0にする魔法を使い続けるだけの探索とか、無駄に広いダンジョンが中盤以降増え続けることとか、序盤の謎解きのバランスとかがシンプルでよいだけにもったいない。

 

<トロフィーコンプリート>

 が非常に容易であるように思わせて若干厳しめである。難点はいくつかあって、

ミニゲームが総じてキツイ

 スロットは連打していれば10分かからずに77777出るのでいいのだけれど、ほかの2つのミニゲームが単純すぎて逆に難易度が高い。もう初期のflashゲーとか携帯アプリとかやってるみたいですごくつらい。これはあきらめて無の境地でずっとやるしかないです。おそらく最難関。ていうか30分くらい背面タッチしてた。

・クリアデータがないのでラスボス倒した後にセーブしないともう一度倒すことに

 なる。普通にやってればトゥルー見れるけれど、すべてのアルバム取得のためにはラスボス倒した後、ノーマルエンディング状態でラスボスを倒す必要がある。まあたいしたことはないんだけど、ラスボスだけ若干強いので結構面倒。

限界凸旗 セブンパイレーツ ミニレビュー

 

限界凸旗 セブンパイレーツ

限界凸旗 セブンパイレーツ

 

 

 割とこのシリーズ嫌いじゃなくて、けど飽きが来るからモエクリはプレイしていない。1作目2作目は割と好きだったけれど、本作は1作目の悪い部分とコンパのRPGの悪いところがうまく融合してしまったかなぁと思わずにはいられない。

 

<ゆるく底抜けに明るくバカっぽいシナリオ>

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 この絵からは想像がつかないくらいシナリオはまったくじめじめしていない。太陽サンサン、カラッとした雰囲気である。

 狙って書いたのだとしたらかなり出来がいいかもしれない。すべてのキャラクターが能天気で、シナリオの進行はすべてノリと勢い、事象の説明もほぼほぼされないしする必要を感じさせない。で、飽きが来たころにはクリアできる。

 思ったよりもこういうところが出来が良い。可もなく不可もないシナリオを作るのは簡単だけれども(1作目とかまさにそう)、特徴的なシナリオを作るのは難しい。だから物語の進行をキャラクターの個性で補った印象。キャラクターが割と自由に動くタイプばかりなのでそこを理解すれば頭を空っぽにして楽しめる。関係性も割と独特で、好き嫌いあるのは間違いないが、それだけ個性はあるということです。

 

<エロは正直控えめ>

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 パイ育システムについては思ったより底が浅く、面白みに欠けている。3Dモデルに出来の良しあしがかなりあって、バストの形状だけでは補えない部分がかなりあるのが問題。個性といえばそうなんだけど、ユーザーはもっとしっかりしたものを求めてたような気がする。具体的に言うと貧乳に対するこだわりが足りない割に巨乳にしようとするとパラメータが多すぎてなかなかうまくいかない。

 Hモンスターとかモン娘も、3Dモデル制作の都合でかなり少ないので物足りなさを感じずにはいられない。シナリオのエロは上記能天気キャラばかりなのでほぼないに等しい。これはまあ前作とかと同じか。

 

<シンプルなせいで出来が悪いバトル>

 今までよりもねぷねぷ的なバトルで、たまっていくMPをうまく運用することを強いられる。ボス戦は序盤は非常に簡単で、中盤までは毒のスリップダメージが強烈なのでたいしたことをせずとも進められる。しかしあるタイミングから毒が入らなくなるため、そこからは三すくみを意識した戦略的なバトルに…なればよかったのだけれど。

 相手の攻撃は強く、デバフや状態異常をガンガン使ってくるうえに、こちらの攻撃はクリティカルを出さなければかなり弱い。攻撃スキル等もあまり使えないものがそろっており、基本的に敵の攻撃を耐えながらちまちまと通常攻撃を当てていく戦闘になりがち。また、自動回復もちの敵には毒を常に入れ続けていないと、こちらの攻撃6回分くらいを1ターンで回復される。

 だからこそ後述するようにちょっとしたコツが必要となってくるので、それを思いつかせるためにこういうバランスにしたということが想像できるが、とはいえ長期戦前提のバランスは総じてクソといってもよいだろう。

 ちなみに雑魚戦はオットン砲を使うことで問答無用で即死なのであってないようなものである。一応条件ドロップあるけど条件書いてあるからそれやるだけだし。

 

<バトルのコツ:とりわけ下3つは大事かもしれない>

・バフやデバフは常に上書き

 上書きなので相手にallバフがかかっても一つデバフをかけてやればバフがなくなる。これは逆もしかりなので良くも悪くも。

 

〇オットン砲の溜まり方

 キャラごとに違う。1回で貯めきれるキャラもいるので、雑魚戦は彼女に任せるといい。また、別にVITAを縦にもって扱かなくても、親指を前面、人差し指と中指を背面にタッチして、カウントが始まったらちょっと位置を動かすだけで、あとはなにもしなくても一気に溜まります。だいたい74%くらいまで。前述のキャラは100%たまる。

 

〇オットン砲を利用したMP回復

 オットン砲を打つときするチャージは、1回するごとにMP50回復するのでそれで基本的に回復する。

 発情すると三すくみの補正をかけられなかったりするので、興奮状態のまま維持し続けるのが良い。正直次の項目を使う以外、発情させるメリットはあまりない。クリティカル必殺技が強いくらいか。

 

◎発情後のクールダウンと行動順を最後にするスキルの併用

 発情した後3ターン後に長いディレイが発生する。

 パイ族の海賊を集めると終盤に手に入るスキルは特定キャラの行動順を強制的に最後にするスキルである。そのため長ディレイで待っているキャラの後ろに追いやることができるので、相手が1体なら一方的に行動させないことができる。

 

<総括>

 エロ目的ならはっきり言って駄作。キャラとストーリーは良いが、バトルが厳しいので正直良作とも言えない。残念でした。

ルフラン及びカリギュラ及びZERO ESCAPE

 ルートレターはともかくとして、やたらとVITAにゲームが出る。最近全然出ていなかったくせに生意気である。とりあえず逆転裁判6DLCと合わせて少しずつ進めるんだけど、まあZERO ESCAPEは一気に進めておきたいし、流行り神もたぶん一気に進め、逆にイースはゆっくり進めるので、恐らく長く遊ぶことになるルフランとカリギュラのファーストインプレッションを備忘録的に。

 

  限定版すばらでした。音楽がほんといいんだわこれ。

 ルフランは世界観・雰囲気・シナリオ・システムどれも少なくともちょっと触れただけの段階ではピカイチの出来で、DRPGの良さが詰め込まれているのを感じる。ダンジョンを進めていきながら少しずつ強くなっていく、時にはアイテム運だけで一気に強くなったり、逆にちょっとした油断で全滅しかけたりという適度な緊張感、キャラクターの個性を強めたり妄想力を試される、キャラメイクの醍醐味を何度も味合わせてくれるのも素晴らしい。ストーリーが割と気になる展開かつ思ってたよりキャラクターたちがわざとらしいくらい生き生きとしてるので楽しいのもよい。

 序盤から解放されている要素が若干多すぎるけど、この難易度設定から行くとクリアまではさほど考えずにも進めて、クリア後から試行錯誤になるパターンか。日本一なのでやりこみが本番なのかどうなのか。そういう意味で、すごく相性が良かったのかな。

 

Caligula -カリギュラ-

Caligula -カリギュラ-

 

  正直なところ、バトルに慣れるまでは相当大変そう。強いから避けて通れってやつがほんとに強くて避けて通らないといけないあたりちょっと前のRPG感がある。

 今のところNPCと結構しゃべってるけど、そこまでしゃべり続ける必要性を感じないから50人くらいで飽きそう。とはいえLINEのようなWIREはまあまあ楽しいし、学園生活を楽しませようという意気込み自体は素晴らしい。それにストーリーもこの調子ならよさげ。というかサトミタダシがいい方向に働いてるっぽい。

 これがフリュー最初で最後の名作だったらつらいね。

 

 

  極限脱出999と善人シボウデス、どっちもやったけど全然覚えとらん。シボウデスの終盤はスクショ取ってるからそこから思い出すかなぁ。

 わりとSF色が強いので、完結には期待してます。

ルートレター 感想と若干の考察

f:id:AstiN:20160618163335j:plain カリギュラもルフランも面白いすぎるので、さらに存在感が消滅しそうなルートレターさんのレビュー、というか供養をしたいと思います。

 

~√Letter ルートレター 通常版

~√Letter ルートレター 通常版

 

 

★数多くの問題点が絡まりあって、一周回ってバカゲーっぽく見えてくる。

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 登場人物たちがことごとく始末に負えない奴らで、そいつらをさらに上回る強烈なクズである主人公が彼らの安寧をぶち壊していく物語は、正直嫌いではなかった。

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 あだ名のわりにその場その場のちょっと考えちゃった系台詞がたまらなく楽しいです。

 

★ 主人公がクズであること

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 割とわかりやすくクズでひどいけれども、ある意味このキャラクター性が強すぎるがゆえに、バカゲーとして楽しめなくもない。

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 というか、中盤までとにかくひどすぎるせいで慣れてくる後半は割とマックスを他人のように軽蔑しながら見ることができるので非常に楽しい。

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 とまあいくつかスクショを提示したものの、実は割とこの点はどうでもよい。ある意味わかりやすい欠点でありながら、というか、バカゲー要素としては最大の長所です。どのセリフもあまりにバカバカしくて逆にありかなって気分になってくる。相手の反応が中盤以降どんどん雑になっていき、傷のつけ方もバカっぽくなっていくのはおそらくわざとであろう。とくにマックスモードの謎ノリはところどころ恐ろしく楽しくなっていく。

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 それに全編プレイするとなんとなくこういう人物にした理由がわかってくる。このことは後述しよう。まずはとりあえず、ゲームとしての問題点を挙げていこう。

 

★選択式の意味がまったくない

 古き良きコマンド選択型のゲームなのだが、そうした意味がまったくなく、しかもむしろゲームの進行を阻害する要素にしかなってない。

 基本的に一本道で、分岐はなにもなく、正解のコマンド以外を選んでも特に何も起こらない。

 イベントでは逆に正解の選択肢以外は先へ進まないし、正解が分かりづらい。正解の選択肢を選ぶと別の選択肢はもう選べない。

 正解ではない場所に行っても、それこそ直前まで話していた人物すらいなく、何らかの会話が起こることは2週目のイベント以外まったくない。

 どの場所も調べることができ、美麗な背景は素晴らしいが、調べてもぜんっぜん面白くない。

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万事が万事こんな感じである。

 また、終盤になるとマップには大量のあいうえお順の目的地が示されるであるとか、

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隣にできたのに隣じゃなかったりする

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(DVD店は京店商店街にある。時空がゆがんでいる)

のは別にどうでもいいですね。

 出雲市にUFO研究所しかないのもどうでもいいです。

 

★特に意味のない動きまで無駄に描写される無駄さ

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 これでなんか別のところで証拠探さないといけないのかなーと思っていたら

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 これである。せめてその5分でなんかイベントつけるべきでしょう。

 こういった特に意味がないイベントが割とよくあるのがこのゲームの特徴でもある。悪い意味で。

 おそらく伏線だけ作っといて使えたら使う、使えなかったらまあいいやな書きかたをしたのでしょうが、そういうのはよくないですよねえ。f:id:AstiN:20160619183742j:plain

 これも特に意味はない。ほかのルートでなんかあるのかと思ってたけど何もない。

 

★唐突に始まる宣伝モードは不自然で、そして物語は断絶する

 島根のためとはいえ、幾度となくお土産を買い、いろんな説明を聞くことになる。

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それだけなら正直許容範囲だし、これだけきれいな背景なんだから地元アピールはするべきだと思う。しかし、上のスクショのようにメインストーリーを断ち切るようにして唐突にイベントが挿入され、何の脈絡もなくお土産を手に入れ、それが後で役に立つということが割とよくある。

 でもそれならまだいいほうかもしれない。f:id:AstiN:20160618150309j:plain

 わざわざ人の弱みに攻め込むための道具を準備していく鬼畜と化す主人公。バカゲーである。

 前項や前々項の合わせ技もある。

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「重要アイテムをほしければ七不思議を集めて教えろ」といわれ、とりあえず商店街で道を歩いている人に話しかける(選択肢が出るが特に意味はない)。基地外扱いされたりしながら

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7つの七不思議を集めるため意味もなく市内を転々とする。

通行人に聞く→わかんない→通行人に聞く→わかんない→通行人に聞く→わかんない→おなかすいた

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絶望である。

★あだ名が直截的過ぎて「子供の残酷さ」が出せていない

f:id:AstiN:20160618145437j:plain チビだのビッチだの、ただの悪口である。子供はそんな直截的な悪口ではなく、割と間接的、隠喩的なあだ名をつけるものではないだろうか。ハーフの子供→フィリピン、とか、鼻がでかくて赤い→ピエロ、黒人→クロとかそういう。一段階置くからこそ残酷な名前こそ、子供の残酷さだろう。ガリだけはよかったけど、それ以外が本当にひどいのは何とかしたほうが良かったと思う。

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 おそらく話の流れとして「特徴的な特徴を持つキャラクター」を配置して細かい部分まで構成してしまったがために変えるわけにもならなくなってしまったのでしょうが、ちょっとねえ。

 

★ゲームの都合につじつまを合わせようともしない雑なシナリオ

・7通目の手紙への返信として書いた質問に、5通目の手紙で返答してくるタイムトラベラー
・そもそも章ごとに一つ一つ手紙を読んでいく形式なのだが、まとめて手紙を読まない意味が分からない
・11年設計事務所に勤めていたのに小学生でもわかるような礼儀がない。

 このようなことだけにとどまらず、全体を通してもう少し考えればいい進め方あるだろうという強引な進め方が多い。

 なんとなく意図が分かるだけに、かえってライターのレベルの低さというか、雑さが際立ってしまうのがつらいところ。

 イベントとイベントをつなぐのが超絶雑なのが致命的で、中盤で物語を流れで追うのはあきらめました。たとえばある章が始まると、前の章で聞いた妖怪について調べることになる。

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 なぜか土産屋の観光客に聞き込みをはじめる頭のおかしいマックス。f:id:AstiN:20160618170214j:plain

 理不尽に怒られたりする。

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私たちには見えない誰かに買っていく宣言をするマックス。

そして松江歴史館のシーンまではずっと妖怪について調べてたのに、尾行されていたので、

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唐突に別の話題になる。しかもマスター=尾行者と唐突に気づく。伏線などない。

……この章酷いなー…。

 

さて、ここまで不満点を言ってきたが、基本はバカゲーである。スクショにピンと来たら、こういうノリがずーっと続くので、買ってもいいと思う。ただし、主人公がクズゆえの不快な行動は若干省いていますので注意を。

 さてここからちょっとした考察をしてみましょう。若干のネタバレが入りますが、ネタバレなど特に意味のないゲームです。

◎主人公の暴走の理由

 主人公ことマックスは、作中でめちゃくちゃ暴れまわり、さらに暴れまわったことを開き直ったり恐喝したりするけれども、さすがにどうにかしてる。どうしてこうなってしまったのか。

 真EDで明かされる件を前提とすると「クラスメイト達は割とクズの集合体」で「現状に不満を持つ地方都市の燻る子供大人たち」である。
 それを前提としてすべてのシナリオが描かれているため、主人公は彼らクズどもをあの手この手で攻め立てるわけだ。
 ただ、プレイヤーはクラスメイト=クズという図式が描かれる前に主人公が暴れまわるのを見せつけられる。クラスメイトの言動はクズなのでだんだんと暴れまわられても抵抗がなくなってくるが、最初は不快を通り越して怒りすら覚えるレベルだ。
 人物関係が最初から分かっている製作者側と、プレイヤー側との悲しいすれ違いなのである。プレイヤーに一切非がないので悲しくはないかもしれない。

・真EDを前提としてシナリオを書いてしまった

 恐らくライターもこれに違和感があったのだろう。随所で主人公が頭のおかしい人物であり、めちゃくちゃ嫌われてることを示唆する描写を入れている。

 これはかなり成功していて、主人公のマックスさをおかしいと思う自分はおかしくなかったんだ!とプレイヤーは救われた気分になる。

 しかしライターはたぶんそこで満足あるいはあきらめてしまって、どんどん突き抜けていく。ディレクターとかもどんどんマヒしてきて、実はこれが面白いんじゃなかろうかと思い始める。逆に考えれば確かに面白いかもしれないと誰もが思いはじめ、低レベルな商品が完成する。

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また、
・分岐できるようにつじつまを合わせたため、プロットで思っていたような展開にできない。

というのも挙げられる。かなりの数の意味深な描写はスルーされ、ルートが別だと人間関係すら変化する(あるルートでは親子関係だったり、死んでたり生きてたり)。ほかのゲームではわりと致命的だけど、このゲームだとたいしたことないように思えるのは怪我の功名?ですね。

 

◎台本モードの台本さは、かすかな抵抗か。

 2週目に条件を達成するとみることのできる台本は、台本である。

 ただただテキストファイルをぶっこんだだけのようで、章ごとの整合性すら取れていないこともある。

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 しかしこのモードの特筆すべき点は「本編では存在しない割と出来のいい描写が台本にはある」ことである。

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あるルートの第9章分の台本にはなぜか第10章まで入っており、こちらのほうが出来がいい。もちろん第10章分の台本も別に存在し、内容はほぼ一緒だが出来の悪いものと出来のいいものを並行してみることができるのだ。

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もちろんこの隠された10章の出来はかなり良い。本編で入ってたらがらりと雰囲気が変わっていたであろうミステリー的要素や、後味の悪さもかなり好みである。

本編でクソ極まりない300万円の横領をクラスメイト7人200万、マックス1人100万の割合で補てんして隠ぺいするシナリオも、

これが

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こうなる。

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 台本のほうがいろいろとよくできてるのだ。

 むなしいのは、どちらもクラスメイトはクズで、マックスざまぁwwwwという感想しか出てこない点。

 

悲しいかな、台本を見るほどやりこむ(1周すれば少し進めるだけみられるけど)プレイヤーはほとんどいないであろう。